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アジア・アフリカで流行している人畜共通寄生虫病研究拠点形成
拠点機関:旭川医科大学


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研究交流目標

全期間を通じた研究交流目標

 コーディネーター/伊藤亮の研究室は、WHOエキノコックス症非公式作業部会において「アジアにおける免疫・遺伝子研究レファレンスセンター」に指定されている。伊藤亮は寄生虫学の専門誌として最も歴史が古く、国際的に最も高い評価を得ている Parasitology(英国寄生虫学会がケンブリッジ大学から出版)のアジアから唯一の編集委員、また日本寄生虫学会が出版している国際専門誌Parasitology Internationalの編集委員、米国立衛生研究所が中心になって立ち上げた、商業誌から独立した専門誌のひとつであるPLoS Neglected Tropical Diseasesの編集員、さらに寄生虫感染における免疫学の専門誌Parasite Immunologyの編集委員として国際的なレベルアップ活動を展開してきている実績を持つ。それに基づき、アジア・アフリカにおける研究水準の向上、研究者の質の向上、研究論文作成の指導も含めたリーダーシップを確保し、専門である人畜共通寄生虫病(特にエキノコックス症、脳嚢虫症他)に関する分子から流行の現場までの総合研究に関する共同研究を展開し、参加国における医学研究水準の向上に資すること、対策指針策定に寄与することを目標としている。

平成23年度の研究交流目標

 「研究協力体制の構築」:インドネシア・タイ・中国・モンゴルとの協力体制はこれまでの国際シンポジウムならびに技術移転セミナープラス共同研究を通して、各国との2国間協力体制にとどまらず、多国間協力体制が強化されてきている。これは申請者が期待している交流目標である。本年度の目標として、多国間協力による共同研究論文等を作成する方向で意見、情報交換を展開する形で国際シンポジウムを主催したい。

 「学術的観点」:各国が抱えているテニア症・嚢虫症、エキノコックス症に関する問題の現状が明確化してきている。
 具体的には、@インドネシア : バリ島では脳嚢虫症患者が散見されるにもかかわらず、感染源となる有鉤条虫症患者が過去10年間の共同研究で把握できなかったが、22年度の活動を通して、ついにバリ島北東部の山村で複数の感染者が発見された。また、世界最悪の嚢虫症流行地とみなされているパプア州での疫学研究から、嚢虫症が相変わらず流行している実態が判明しつつある。これらの地域における比較研究と、病原体の遺伝子解析は非常に重要な科学的貢献になると期待される。
 Aタイ : これまでに実施したカンチャナブリに加えて、2011年2月の調査から北西部のTak県からも多数の有鉤条虫症患者が発見されたことから、この地域での嚢虫症患者の発見と治療に向けた住民健診、感染動物調査へと新しい研究を展開できると期待される。
 B中国 : 四川省支部地域、チベット人生活域で有鉤条虫症、嚢虫症のみならず、無鉤条虫とアジア条虫の交雑個体が発見されたことから、ヒトへの感染源動物の解明が待たれる。
 Cモンゴル : 国民病である単包虫症の病理標本を用いた遺伝子解析から、ヒトへの感染源は2種類であることが判明しつつある。このような地域は世界で他に知らない。疫学研究への展開と感染予防に向けた指針策定が国家戦略として必要になると期待している。
 Dカメルーン : 大学院生の研究を通しての交流中心であったが、学位取得し、自国に戻ることから、今後の協力体制の構築は彼女を通して展開されると期待している。

 「若手研究者養成」:インドネシア、タイ、モンゴルに関しては若手研究者の研究テーマとして上記の「学術的観点」に記した研究が進行し始めている。
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拠点機関:旭川医科大学
実施組織代表者:学長・吉田晃敏
コーディネーター:医学部 寄生虫学講座 教授・伊藤亮
〒078-8510 旭川市緑が丘東2条1丁目1番1号
TEL 0166-65-2111
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